同じ茶色っぽいシミでも、泥なら水につける前に払い落とし、血液ならお湯を避けて水で流します。
シミ落としは、最初の一手を間違えないことがいちばん大事で、何で付いたかによって、その一手が逆になります。
漂白剤や洗剤を手に取る前に見るのは、衣類の内側の洗濯表示です。
おけに×なら家で水洗いせず、三角に×なら漂白剤を使わない、という2つの記号が、どこまで家で手を出せるかを先に決めます。
シミごとの、最初の一手
付いたシミの種類が分かれば、最初にすることと避けることは決まります。
| シミ | 最初の一手 | 避けること |
|---|---|---|
| 血液 | 水で流す | お湯で洗う、漂白剤を先に塗る |
| 泥 | 乾いた泥は払い落とす | いきなり水につける |
| 襟・袖の黄ばみ | 液体洗剤を塗ってなじませる | 塩素系漂白剤で白くしようとする |
| 色移り | 乾かす前に洗い直す | 乾燥機にかける、そのまま干す |
| 食べこぼし | 固形物をつまみ取り、押さえて移し取る | こすって広げる |
どのシミにも共通するのは、時間がたつほど落ちにくくなることと、こすると広がったり生地を傷めたりすることです。
気づいたらその日のうちに、押さえる・つまむ・流すのどれかで手当てを始めます。
何のシミか分からないとき
いつ付いたか分からないシミは、目立たない端に水を1滴たらして、しみ込み方を見ます。
水がすっとしみ込むなら、しょうゆやジュース、血液のような水になじむシミの側です。
水をはじいて玉になるなら、目安として油を含むシミの側と考え、液体洗剤を直接塗ってなじませる方法から始めます。
どちらとも言えないときも、強い漂白剤からではなく、水と洗剤の弱い手当てから順に試します。
血液は、お湯を避けて水で
血液にはたんぱく質が含まれていて、お湯で洗うと固まり、繊維に残って落ちにくくなります。
水道の水か、冷たい水で始めるのが、血液のシミの手当ての出発点です。
シミの部分に冷たい水を当てて、血液をしっかり流します。
強くこすらず、水を通しながら指先でやさしくもみます。
液体洗剤をシミに直接塗り、指先で軽くなじませます。
洗濯表示の三角が漂白可なら、液体の酸素系漂白剤を塗ってからすぐ洗濯機へ入れます。
漂白剤は、水で血液を流してから使います。
ほかの洗濯物と一緒に、いつもの洗剤で洗います。

乾いてしまった血液
朝になって気づいたシミのように、乾いてしまった血液も、まず水につけてやわらかくするところから始めます。
やわらかくなったら、もみ洗いと洗剤で、付いたばかりのシミと同じ流れに戻します。
何日もたって茶色く変わったシミは、家での手当てで薄くなっても、跡が残ることがあります。
シーツや下着のように広く付いたとき
シーツやパジャマ、下着に広く付いた血液は、部分に水を当てるより、洗面器やバケツに冷たい水を張って浸すほうが全体に水が回ります。
水がにごったら替えて、色が出なくなるまでくり返してから、洗剤で洗います。
洗面器に張るのはお湯ではなく水という点は、部分のシミと同じです。
寝具のうち、敷き布団やマットレスのように洗濯機で洗えない物は、ぬらした布を固く絞って、押さえて移し取る手当てにとどめます。
泥汚れは、水につける前に泥を落とす
泥は、土や砂の細かい粒が繊維のすき間に入り込んだ汚れです。
泥のついた服をそのまま水につけると、泥が繊維の奥にしみ込んで、落としにくくなります。
乾いた泥と、ぬれた泥
乾いた泥は、ほかの洗濯物に汚れが移らないよう、屋外で、手ではらったりもんだりして、できるだけ落とします。

ぬれた泥は、乾く前に処理を始めます。
乾くと繊維と結びついて、落ちにくくなるためです。
泥を落としたら、泥汚れ用の部分洗い剤か液体洗剤を塗ってもみ洗いし、それから洗濯機で洗います。
それでも残る泥は、ぬるま湯に酵素入りの粉末洗剤を溶かしてつけ置きする方法があります。
ぬるま湯の温度は洗濯表示のおけの数字までにし、金属の付いた服はつけ置きの時間を短めに切り上げます。
体操服や靴下が多い家
部活の練習着や、膝が茶色くなった子どものズボン、白い靴下は、洗濯機に入れる前に洗面器やバケツで予洗いします。
ほかの洗濯物と一緒に回すと、落ちた泥がほかの物に移ることがあるためです。
予洗いの水が茶色くにごるうちは、水を替えて、もみ洗いをくり返します。
襟・袖の黄ばみと黒ずみ
ワイシャツの襟や袖口の汚れは、汗や皮脂が主な原因です。
皮脂が時間とともに酸化して黄色くなり、そこにほこりが付くと黒ずみになります。
毎日洗っていても、洗い残した皮脂が少しずつ重なると、ある日まとめて目に付くようになります。
落とす順番
液体洗剤か、襟・袖用の部分洗い剤を、汚れに直接塗ってから洗濯機へ入れるのが、日々の手当てです。

全体が黄ばんでいる物は、酸素系漂白剤のつけ置きが向いています。
つけ置きに使うぬるま湯は、洗濯表示のおけの数字(液温の上限)を超えない温度にします。
数年たって黄ばんだ物は、手当てをしても元の白さに戻りきらないことがあります。
襟・袖用の部分洗い剤には、容器の先がブラシやスポンジになっていて、塗りながら軽くこすれる形があります。
買う前に、容器の裏の使えない素材の欄と、漂白成分が入っているかを見て、家の服に合う物を選びます。
白いワイシャツでも、襟の芯の素材などによっては、塩素系漂白剤でかえって黄色く変わることがあります。
塩素系を使う前に、洗濯表示の三角と、漂白剤の容器の「使えないもの」の欄の両方を見ます。
黄ばみをためない着方と洗い方
皮脂は時間がたつほど酸化が進むので、着た服は、汗や皮脂が新しいうちに洗うのが、いちばん手間の少ない予防です。
汗をかいた日のシャツを、洗濯かごの底で何日も置かないだけでも、襟の色の変わり方は違ってきます。
季節の変わり目にしまう服は、着たまましまわず、洗って中まで乾かしてから片付けます。
色移りは、乾かす前に洗い直す
洗濯機から取り出した白いシャツが、一緒に洗った服の色でうっすら染まっていた、という失敗です。
色移りに気づいたら、乾燥機に入れたり、そのまま干したりせず、ぬれているうちに洗い直します。
熱や乾燥で、移った色が落ちにくくなるためです。
洗い直すときは、色を移した服を取り除き、移された服だけを、洗剤と酸素系漂白剤を入れたぬるま湯で洗います。
漂白剤を足すのは、洗濯表示の三角に×がなく、漂白剤の容器の「使えないもの」にも当たらない服だけです。
ぬるま湯は、洗濯表示のおけの数字を超えない温度までにします。
染料は繊維に強く結びつくので、多くの場合、元どおりには戻りません。
それでも、洗濯をくり返すうちに、移った色が少しずつ薄くなることがあります。
次の色移りを防ぐ
濃い色の新しい服や、色の付いたテープ・刺しゅうのある服は、洗う前に色落ちするかを見ます。
目立たない所に、洗剤の表示どおりに原液を付けてしばらく置き、白い布で押さえて色が付くなら、その服は単独で手早く洗います。

色落ちする服を、漂白剤の液に長くつけたままにするのも避けます。
洗い終わった洗濯物を、ぬれたまま洗濯機の中に重ねたまま置くと、そのあいだに色が移ることもあるので、終わったら早めに取り出して干します。
漂白剤を使う日の線と、店に任せるシミ
シミ落としで漂白剤を使う日は、混ぜない、続けない、使えない服に使わないの3つを守ります。
漂白剤でしないこと
塩素系と酸素系の漂白剤を、混ぜたり、同じ服に続けて使ったりしません。
塩素系は白い無地の服専用で、色柄物には使いません。
塩素系を使うときは、窓を開けて換気し、ゴム手袋をします。
塩素系は、クエン酸・酢・酸性タイプの洗剤と混ぜると、有害なガスが出ます。
粉末の酸素系漂白剤は、ウール・絹には使えません。
ボタンやファスナーなど金属の付いた服は、酸素系漂白剤につけ置きしません。
塩素系を使った洗面器やバケツで、ほかの洗浄剤を続けて使うのは避けます。
つけ置きの時間と液の濃さは、漂白剤の容器の表示どおりにします。
長く漬けるほど落ちる、というものではなく、置きすぎると生地が傷んだり、色が落ちたりします。
つけ置きの液は使い回さず、終わったら水で流して、容器もすすいでから片付けます。
クリーニング店に任せるシミ
ウール・絹の服、高級品、洗濯表示のおけに×がある服、何年も前の古いシミは、家で漂白剤やもみ洗いを試す前に、クリーニング店に相談します。
油性ペンや絵の具のように、家庭の洗剤では落としにくいシミも、店に任せる側です。
家で試して落ちなかったシミも、それ以上強い手当てを重ねるほど、店でも扱いにくくなります。
店に出すときに伝えること
何のシミか(血液、泥、食べこぼし、分からない)
いつ付いたか
家で何を試したか(水、洗剤、漂白剤の種類)
外出先で付いたときの応急
食事中にソースが飛んだ、転んで泥が付いた、といった外出先のシミは、その場で落としきろうとしないほうが、服を傷めずに済みます。
ティッシュやハンカチで、こすらずに上から押さえて、汚れを移し取るところまでが応急の手当てです。

しょうゆやコーヒーのような水になじむシミは、ぬらして固く絞ったハンカチで押さえると、汚れを移し取れます。
カレーやドレッシングのように油の多い汚れに、いきなり水を付けると、かえって広がることがあります。
油の多い汚れは、乾いたティッシュで油を吸わせるところまでにして、水は家に帰ってからにします。
その場で落ちきらなくても、こすって広げずに持ち帰れれば、家での手当てには十分つなげられます。
ハンカチで押さえた跡が残っていても、慌てて外のトイレの石けんでこする必要はありません。
家では、何のシミかに合わせて最初の一手を選び、その日のうちに手当てします。
家に着いたら、着替えたその足で、シミの付いた服を洗面台へ持っていきます。
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