羽毛は、水を含むとしぼんで小さな束になり、乾くにつれて空気を抱え込んで、ふくらみを取り戻します。
羽毛布団の丸洗いで気をつけることの多くは、このしぼむ時と、ふくらみ直す時の扱いに集まっています。
そして、側生地のタグに水洗いの記号がない羽毛布団は、自宅でもコインランドリーでも洗いません。
タグと、使う洗濯機の取扱説明書に書かれた指定が、この先のどの手順よりも先に来ます。
洗う前:タグと大きさと、傷みを見る
タグで見るのは、おけと四角の2つの記号
羽毛布団のタグでは、洗えるかどうかを、おけの記号で見ます。
おけの中に数字や手の形があれば水洗いでき、おけに×があれば、水洗いはせずクリーニング店に任せます。
次に、四角の中に丸が描かれた記号で、乾燥機を使ってよいかを見ます。
丸に×があれば、乾燥機には入れず、干して乾かす布団です。
タグの裏側に、ネットの使用や単独洗いなどの注意書きが添えられていることもあるので、表と裏の両方を読みます。
自宅の洗濯機に入るか、コインランドリーにするか
自宅で洗えるかは、洗濯機の取扱説明書の「毛布」「布団」の欄で決まります。
洗濯容量とは別に、洗える布団のサイズと重さの上限が書かれていて、羽毛の掛け布団を対象にしていない機種もあります。
羽毛をたっぷり詰めた厚手の布団は、家庭用の洗濯機や乾燥機では容量が足りないことがあります。
上限を超えて押し込むと、布団が破れたり、洗濯機を傷めたりする原因になります。
自宅の洗濯機の上限に収まらない布団は、コインランドリーの大型の洗濯乾燥機か、クリーニング店に回します。
| 比べる所 | 自宅の洗濯機 | コインランドリー |
|---|---|---|
| 洗える大きさ | 取扱説明書の上限まで(羽毛の掛け布団が対象外の機種もある) | 大型機なら厚手の布団も入る |
| 乾かし方 | 干して乾かすのが中心で、日数がかかる | 大型の乾燥機で続けて乾かせる |
| 手間 | 運ぶ手間はないが、干す場所と日数が要る | 布団を運ぶ手段と、店で待つ時間が要る |
| 向く布団 | 薄手の羽毛の肌掛けなど、上限に収まる物 | 洗える表示のある、厚手・大きめの物 |
洗う日と、洗う回数の決め方
羽毛布団は、汚れたときに洗う物で、季節が変わるたびに洗う物ではありません。
洗える表示のある羽毛布団でも、丸洗いのたびに羽毛と側生地には負担がかかるので、回数を重ねる手入れには向きません。
ふだんの手入れは、カバーをこまめに洗い、本体は陰干しで湿気を飛ばすことで足ります。
洗うと決めたら、日付は天気予報で選びます。
干して乾かす場合は、晴れて空気の乾いた日が続く時期を選び、雨の続く季節や、日が短く気温の低い時期は避けます。
コインランドリーで乾燥まで済ませる場合でも、持ち帰ったあとに広げて湿気を逃がす時間があると、乾き残りに気づけます。
穴とほつれは、洗う前に見つける
側生地の小さな穴や縫い目のほつれは、水の中で動かすうちに広がり、そこから羽毛が抜け出すことがあります。
明るい所で布団を広げ、表と裏、四隅の縫い目を指でたどります。

羽毛の先が飛び出している所は、引き抜かずに裏側からつまんで中へ戻し、生地の目を指でこすってならします。
引き抜くと、羽毛の通った跡の穴が広がり、そこから次の羽毛が出てきます。
穴がふさがらない、何か所も羽毛が出てくる布団は、洗わずにクリーニング店に相談します。
コインランドリーに持って行く物
布団が入る大きさの洗濯ネット
羽毛に使える表示のある中性洗剤(洗剤が自動で入る機械なら不要)
乾いた布団を持ち帰る大きな袋
乾き具合を確かめる時間の余裕
洗う:たたんでネットに入れ、やさしく押し洗いする
羽毛布団を洗う日は、布団カバーを外し、本体だけにしてから始めます。
自宅の洗濯機でも、コインランドリーでも、大まかな流れは同じです。

布団を縦に三つ折りにしてから端から丸め、空気を押し出しながら洗濯ネットに収めます。
ネットから布団がはみ出すと、洗っている間に生地が引っ張られるので、ファスナーは最後まで閉めます。
羽毛は水をはじいて浮きやすいので、洗剤を溶かした水に沈めたら、手で少し押して中まで水を行き渡らせます。
汚れの目立つ襟元には、ネットに入れる前に洗剤の原液をなじませ、軽く押さえて汚れに行き渡らせます。
自宅なら「毛布」「布団」など取扱説明書に指定されたコースか、弱い水流のコースを選びます。
コインランドリーの大型機は、店の掲示で布団に向くコースを選びます。
泡が残らないよう、すすぎは十分に行います。
脱水は長く回さず、取扱説明書や店の指定の範囲で短めに切り上げます。
洗剤は、羽毛や毛が洗える表示のある中性洗剤を選び、量は洗剤の表示に合わせます。
漂白剤は羽毛布団には使わず、洗剤を多く入れて汚れを落とそうともしません。
すすぎ残した洗剤は、乾いたあとのにおいや、羽毛のふくらみの戻りにくさにつながります。
脱水が終わったら、洗濯機の中に置いたままにせず、すぐに取り出します。
洗濯乾燥機で、乾燥まで続けてよいか
自宅の洗濯乾燥機には、洗いから乾燥まで続けて回せる機種があります。
ただし、布団を洗えることと、布団を乾燥できることは、取扱説明書では別々に書かれています。
羽毛の掛け布団は洗えても乾燥はできない、シングルは乾燥できてもダブルはできない、という分け方をしている機種もあります。
乾燥の欄に羽毛の布団が載っていなければ、洗ったあとは取り出して、干すかコインランドリーの乾燥機に回します。
乾かす:固まった羽毛をほぐしながら、中まで乾かす
脱水したての羽毛布団は、羽毛がいくつもの塊になって、布団の中で片寄っています。
この塊のまま乾かすと、塊の中心に湿気が閉じ込められ、表面は乾いても中が湿ったままになります。
乾かし方は、乾燥機を使う方法と、干して乾かす方法の2つに分かれます。
乾燥機を使うとき
乾燥機に入れてよいのは、タグの四角の中の丸に×がない羽毛布団だけです。
点が1つの表示なら、温度を選べる乾燥機では低い温度を選び、時間を足しながら乾かします。
途中で一度取り出して、手で塊をほぐしてから戻すと、中まで熱と風が届きます。

乾燥が終わった直後の布団は温かく、乾いたように感じても中に湿りが残っていることがあるので、少し冷ましてから手で押して、湿りが残っていないかを見ます。
家庭用の乾燥機で容量が足りないときは、コインランドリーの大型の乾燥機を使います。
温度の高い設定で長く回すと、側生地や羽毛を傷めることがあるので、タグの点の数より上げません。
干して乾かすとき
乾燥機を使わない場合は、湿っているうちに羽毛の塊を手でほぐし、布団全体に散らしてから干します。
風通しのよい日陰で、物干しざおを2本使って布団の内側に風が通るように掛けます。
日陰がとれず日の当たる場所で干すときは、上からシーツなどを掛けて、側生地に直接日が当たらないようにします。
ときどき表と裏、上と下を入れ替え、そのたびに片寄った所をほぐします。
室内で干す場合は、窓を開けるか、除湿機や扇風機の風を布団に当てて、部屋にこもる湿気を外へ逃がします。

羽毛布団の丸洗いは、洗うより乾かすほうに時間をかける作業です。
乾き残りの見分け方
布団の真ん中と四隅を押して、ひんやりした所や重たい所がないか
押した所のへこみが、すぐにふくらんで戻るか
顔を近づけて、湿った羽毛のにおいがしないか
どれかに引っかかれば、乾燥か陰干しを続けます。
湿り気が残ったまま使ったり、しまったりすると、においやカビの原因になります。
しまう・寝室に戻す:乾ききってから、ふくらみを整える
乾いたと思ったら、布団の両端を持って軽く振り、羽毛を布団全体に行き渡らせます。
ふくらみが戻りきらない所は、手のひらで軽くたたいてならします。
布団たたきで強くたたくと、側生地や羽毛を傷めるので、手でやさしく扱います。
すぐに寝室へ戻すときは、洗ったカバーを付けてから使い始めます。
カバーは本体の汚れを受け止める役目があるので、本体を洗う回数を減らすことにもつながります。
しまう場合は、次の順に整えます。
- 布団の中まで乾いているかを、もう一度手で押して見る
- 湿気がこもりにくい、通気性のある収納袋に入れる
- 押し入れやクローゼットの、湿気の少ない上の段にしまう
- 上に重い物を載せず、羽毛がつぶれないようにする

次に洗うまでの手入れ
洗ったあとの羽毛布団を長くふっくら保つには、本体を汚さず、湿気をためないことが中心になります。
カバーは汗やほこりを受け止めるので、裏返してファスナーを閉め、カバーのタグの表示に合わせてこまめに洗います。
本体は、晴れて乾いた日に陰干しするか、日に当てる場合はカバーを付けたまま干して、側生地を日差しから守ります。
陰干しは湿気の少ない昼前後に、片面ずつが目安で、回数や時間は布団の取扱表示やメーカーの案内に合わせます。
雨や花粉の季節は、布団乾燥機で湿気を飛ばす方法もあります。
朝起きてすぐに布団をたたまず、しばらく広げたままにするだけでも、寝ている間の湿気が抜けていきます。
店に相談する線と、戻す日の見極め
洗い上がりの羽毛布団でも、においが抜けない、羽毛が抜け続ける、ふくらみが明らかに戻らないときは、家で洗い直さずにクリーニング店に相談します。
押して戻らないへこみや、ひんやりした所が一か所でも残っていればもう一日干し、どこを押してもふくらみがすぐ戻るなら、カバーを付けて寝室へ戻します。
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