年末の休みの2日間に、換気扇も窓もお風呂もまとめて片付けようとすると、つけ置きを待つうちに日が傾きます。
窓に手をつけるころには外が暗く、拭きすじも汚れも見えません。
冷たい水で手がかじかみ、残りは「また来年」になりがちです。
大掃除がつらくなる原因の多くは、作業の量よりも、詰め込む時期と順番にあります。
11月の終わりから少しずつ始めて、1日に1か所だけ進めれば、年末の週末を空けたまま家じゅうを一回りできます。
なお、洗剤や道具の使い方、使えない素材は商品ごとに違います。
商品の表示と、掃除する設備や家電の取扱説明書を最優先にしてください。
11月の終わりから始めると、年末の週末が空く
12月に入ると、日が短くなり、水も冷たくなります。
水を使う掃除や、乾かす時間が要る掃除は、暖かくて明るい時間帯がとれる時期のほうが進めやすくなります。
早く始める理由は、ほかにもあります。
- 年末が近づくほど、ハウスクリーニングなどの業者は予約が混み合い、希望の日が取りにくくなることがあります。
- 洗剤や手袋が足りないと気づいても、早い時期なら買い足しに回れます。
- 1日に1か所なら、平日の夜や週末の午前だけで終わる量に収まります。
11月末から12月の前半に、手間のかかる場所を済ませておくと、年末は仕上げの拭き掃除だけで済みます。

大掃除は「年末の行事」ではなく、11月末から12月にかけて分けて進める作業と考えると、1日の負担がかなり軽くなります。
順番は「上から下」「重い汚れから」「水を使う場所は暖かい日に」
順番を決める軸は3つです。
上から下へ進める
照明のかさや棚の上、カーテンレールのほこりは、払うと下に落ちます。
高い所を先に、床を最後にすると、落ちたほこりを二度掃除せずに済みます。
部屋の中でも、家全体でも、この順番は同じです。

床も、掃除機でほこりを吸ってから拭く順にすると、ほこりが水で固まって筋になるのを防げます。
2階がある家なら、2階から始めて1階の床で終える流れにすると、階段に落ちたほこりもまとめて片付きます。
時間のかかる汚れを早めに
キッチンの換気扇や五徳の油汚れは、つけ置きや乾燥に時間がかかります。
手間の大きい場所ほど、日程の前半に置くと、思ったより落ちなかったときに、やり直す日や業者に頼む日を確保できます。
水を使う場所は、暖かく晴れた日に
網戸やベランダ、カーテンの洗濯は、乾くまでに時間が要ります。
気温が高めで晴れた日を選ぶと、乾き残りが出にくくなります。
窓ガラスは反対に、日差しが強いと洗剤がすぐ乾いて拭きすじが残りやすいため、くもりの日や午前中が向いています。
11月末から12月の日割りの目安
1日1か所を基本に、平日は15分で終わる小さな作業、週末は手間のかかる場所を1つだけ、という組み方の例です。
天気や予定に合わせて入れ替えてかまいません。
| 時期の目安 | 平日の15分でできること | 週末に1か所進めること |
|---|---|---|
| 11月の最後の週 | 洗剤と手袋の在庫を見る、捨てる物を袋にまとめる | 換気扇・レンジフードのフィルター |
| 12月の1週目 | 照明のかさ、棚の上のほこりを払う | コンロ・五徳・魚焼きグリル・電子レンジ |
| 12月の2週目 | 冷蔵庫の中身を減らす、ドアポケットを拭く | お風呂(天井・壁・排水口) |
| 12月の3週目 | スイッチやドアノブを拭く | 窓ガラス・網戸・サッシ、カーテンの洗濯 |
| 12月の最後の週 | 玄関の靴を出して掃く | 床の拭き掃除、仕上げ |
「1か所」に含める作業の範囲
週末の1か所は、準備から片付けまでで半日に収まる量にしておくと、翌週に疲れを持ち越しません。
キッチンの週なら、先にフィルターや五徳をつけ置きし、待っている間にコンロの天板や電子レンジの庫内を拭く、という組み方ができます。
つけ置きの時間は、使う洗剤の表示に合わせてください。
お風呂の週なら、カビ取り剤を置いている間は浴室から出て、換気扇を回したまま別の部屋のほこりを払うと、時間を無駄にしません。
一人暮らしと家族では、組み方を変える
一人暮らしなら、平日15分と週末1か所のリズムを崩さず、全体を5週に分けるのが続けやすい形です。
家族がいる家では、高い所や脚立を使う作業は大人が二人そろう日に、拭き掃除や靴の整理のような作業は子どもも手伝える日に、と作業の種類で日を分けられます。
「誰が・どこを・どの週に」を冷蔵庫の扉などに貼っておくと、声をかけ合う手間が減ります。
冷蔵庫とお風呂は、分け方に一工夫
冷蔵庫は、中身が少ない時期に拭くほうが楽です。
年末の買い出しの前に済ませておくと、食品を出し入れする手間が減ります。
お風呂や窓のように広い場所は、1日で全部やろうとせず、「今日は天井と壁」「来週は床と排水口」のように半分に割っても進みます。
道具と洗剤は最小限でそろえる
道具を増やすほど、しまう場所も、どれを使うか迷う時間も増えます。
大掃除に使う物は、次の範囲で多くの場所に対応できます。
- ゴム手袋(洗剤を使う作業すべてに)
- やわらかいスポンジと、使い古しの歯ブラシ(すき間やレールに)
- マイクロファイバーなどの拭き取り用の布を数枚(水拭き用と乾拭き用を分ける)
- キッチン用の中性洗剤(油汚れの多くと、素材が分からない場所に)
- 窓用のスクイジー(窓ガラスの水切りに)
- 安定した踏み台か脚立(高い所の作業に)
洗剤は、油の汚れ用、水まわりの汚れ用、カビ用と、汚れの種類ごとに1本ずつあれば足ります。
すでに家にある洗剤を、ボトルの表示で用途と「使えないもの」を見てから使い回すほうが、買い足すより無駄がありません。

家にある洗剤は、ボトルの裏の4つの欄を見る
大掃除の前に、家にある洗剤を一度並べてみてください。
見るのは、ボトルの裏の次の欄です。
- 液性(中性・弱アルカリ性・アルカリ性・酸性)
- 用途(台所用・住居用・浴室用など)
- 使えないもの(素材や場所の一覧)
- 「まぜるな危険」の表示があるかどうか
「まぜるな危険」の表示がある洗剤は、塩素系か酸性タイプです。
この2つは保管する棚を分け、使う日も分けておくと、うっかり重ねて使う場面を減らせます。
中身を別の容器に移し替えると、表示が読めなくなり、誤って使う原因になります。
買ったときのボトルのまま使ってください。
洗剤は混ぜず、1種類ずつ使ってください。
塩素系の洗剤と酸性タイプの洗剤が混ざると、有害なガスが出ます。
排水口には前に使った洗剤が残っていることがあるため、使ったあとは十分に水を流し、別の洗剤を続けて使うのは避けます。
別の系統の洗剤を使う掃除は、別の日にまわしてください。
やむを得ず同じ日に使うときは、製品の表示に従ってください。
作業中は窓を開けて換気扇を回し、手袋をつけます。
塩素系のカビ取り剤を使うお風呂の日と、酸性の洗剤で水垢を落とすトイレや洗面台の日を分けておくと、この組み合わせが同じ日に重なりません。
自分でやる所と、業者に任せる所
大掃除のなかには、家庭でやると故障やけがにつながりやすい作業もあります。
次のような所は、無理に自分で進めず、メーカーや業者に相談する線を引いておきます。
| 場所 | 自分でやる範囲 | 業者・メーカーに任せる目安 |
|---|---|---|
| 換気扇・レンジフード | 取扱説明書で外せる部品(フィルター・ファンなど)の洗浄 | 分解が必要、ファンが外れない、油が固着して部品が動かない |
| エアコン | フィルター、外装、吹き出し口の手前 | 内部の熱交換器やファン、お掃除機能付きの内部 |
| 窓・ベランダ | 室内側、手が無理なく届く範囲の外側 | 身を乗り出す必要がある窓、2階以上の外壁や高所 |
| お風呂 | カビ取り剤や洗剤で落ちる範囲 | ゴムパッキンの奥まで黒い、目地の打ち直しが必要 |
業者に頼むと決めた場所は、日割りの前半のうちに問い合わせておきます。
年末が近づくほど予約が埋まり、希望の日が取れないことがあるためです。
問い合わせのときは、場所(レンジフードかエアコンか)、メーカーと型番、台数、汚れが気になる所を伝えると、作業の範囲や当日の準備を具体的に聞けます。
作業の範囲と追加の作業が出たときの扱いは、頼む前に書面や画面で残る形で受け取っておくと、あとで食い違いが起きにくくなります。
高い所の作業では、脚立やはしごからの転落事故が起きています。
できれば脚立を使わない方法を考え、使うときは一人きりで作業しないようにしてください。
滑りにくい靴をはき、「あと少し」と体を伸ばさず、脚立を動かしてから続けると、バランスを崩しにくくなります。
ベランダで使った踏み台やバケツは、作業が終わったら室内に戻します。
手すりの近くに置いたままにすると、子どもが登る足場になることがあるためです。
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年内に終わらない場所は、季節を選んで回す
日割りどおりに進まない年もあります。
そのときは、年内にやる場所と、年を越してよい場所を分けてしまうと、気持ちの区切りがつきます。
- 網戸とベランダは、水を使っても早く乾く春から初夏に回せます。
- エアコンの掃除は、冷房を使い始める前の春に回しても間に合います。
- カーテンの洗濯は、晴れて風のある日が続く時期を待てます。
反対に、換気扇・コンロまわりの油汚れは、年をまたぐほど固まって落としにくくなります。
年内に1か所だけ選ぶなら、キッチンの油汚れを優先すると、翌年の作業が軽くなります。
来客の予定がある年は、玄関・トイレ・洗面台のように人の目に入る所を仕上げの週にまとめて拭いておくと、ほかの場所が途中でも見た目が整います。
年を越した場所は、春のカレンダーに「網戸」「エアコン」と書き込んでおくと、次の季節に思い出せます。
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