フローリングのリビングにラグが1枚、寝室は畳、廊下の先には玄関の段差。
1台の掃除機で家じゅうを回ろうとすると、どこかの部屋で取り回しの悪さが出てきます。
掃除機選びは、いちばん広い床を受け持つ主力の1台を決め、届かない所だけを補助で埋めると考えると、台数も種類も絞れます。
吸い込みの強さやバッテリーの持ち、使ってよい床材は、どれも機種ごとの表示と取扱説明書に書かれた範囲で判断します。
種類ごとの持ち場を並べる
| 種類 | 向く場面 | ごみ捨てと手入れ | 置き場所 |
|---|---|---|---|
| スティック(コードレス) | 気づいたときにかける床、1部屋ずつの掃除 | ダストカップか紙パック、フィルター | 充電スタンドか壁際 |
| キャニスター | 広い家をまとめて、カーペットの多い部屋 | 紙パックかダストカップ、コードの巻き取り | 収納の中 |
| ロボット | 留守の間の床、毎日同じ部屋 | ダストボックス、ブラシに絡んだ毛、センサーの拭き取り | 充電台のまわりに空き |
| ハンディ | 机や棚の上、ソファ、階段の段 | ダストカップ、フィルター | 手の届く棚や引き出し |

スティック
出してすぐ使えるのが強みで、1部屋ずつ、気づいたときにかける使い方に合います。
1回の充電で動ける時間と本体の重さは機種で幅があるので、家じゅうを一度に回り切れるかを商品ページの表示で見ます。
モーターが手元にあるか、床に近い側にあるかで、持ったときの重さの感じ方も変わります。
スティックの形でもコードの付いた機種があり、充電の時間を待たずに使える代わりに、部屋を移るたびにコンセントを差し替えます。
キャニスター
本体を床に置いて引きながらかけるタイプで、コード式なら、バッテリーの残りを気にせず広い範囲を回れます。
階段では本体を持って一段ずつ上がることになり、部屋を移るたびにコンセントを差し替えます。
ロボット
決まった時間に床を回るので、留守の間の床の掃除を任せられます。
一方で、床に物が多い部屋、電気のコードが床をはう部屋、乗り越えられない段差のある部屋は苦手です。
乗り越えられる段差の高さや、黒っぽい床・毛足の長いラグでの動き方は機種ごとに違うので、商品ページと取扱説明書の両方で見比べます。
入ってほしくない場所を、付属の仕切りやスマートフォンの設定で決められる機種もあります。
ハンディ
机の上、棚、ソファの座面、階段の段のように、床ではない所の受け持ちです。
スティックから本体を外してハンディとして使える機種なら、1台で兼ねられます。
しまう場所と、充電する場所
どの種類を選んでも、出し入れが面倒な場所にしまった掃除機は、だんだん使われなくなります。
スティックは充電スタンドの近くにコンセントが要り、壁に穴を開けられない部屋では、自立するスタンドが候補になります。
ロボットの充電台は、まわりに決められた広さの空きが要り、その寸法は取扱説明書に書かれています。
キャニスターは、収納の中に本体とホースが入るかを奥行きで見ます。
コンセントの位置と、出しっぱなしでも通り道をふさがない場所が見つかるかどうかで、選べる種類が先に絞られることもあります。

床材で、主力の1台を決める
主力を決めるいちばんの手がかりは、家の中でいちばん広い床の種類です。
フローリングが中心なら、軽いスティックか、物の少ない部屋ならロボットが主力の候補になります。
カーペットやラグが多いなら、ヘッドに回転ブラシの付いたタイプが候補です。
毛足の長いラグにかけてよいかは、取扱説明書の「使える床」の欄で見分けます。
畳は、目に沿ってヘッドを動かします。
回転ブラシを畳に使ってよいか、畳向けの切り替えがあるかは機種で違うので、畳の部屋が多い家は、その欄を先に見ます。
拭く汚れは、掃除機とは別の道具で
掃除機が受け持つのは、ほこりや髪の毛、砂のような乾いたごみです。
足裏の皮脂のべたつきや、こぼした飲み物の跡は、フロアワイパーや拭き掃除の側の仕事になります。
熱い蒸気を当てるスチームクリーナーも拭き掃除の側の道具で、床材や表面の仕上げによっては使えません。
掃除機の台数を考えるときは、拭く道具を別に数えると、掃除機に求める役割がはっきりします。
ロボット掃除機だけで足りる?
床に物が少なく、部屋どうしの段差が小さい間取りなら、毎日の床はロボットに任せられます。
それでも、部屋の隅、ソファの上、階段、テーブルの上のこぼれは人の手が要るので、軽いスティックかハンディを1台添える形が現実的です。
広さと間取りで、組み合わせを決める
ワンルーム・1Kの部屋
床の面積が小さい部屋は、スティック1台で足ります。
ハンディとしても使える機種なら、机やベッドの上もその1台で兼ねられます。
置き場所が限られるので、充電スタンドが自立するか、壁に立てかけて使えるかも選ぶ条件に入ります。
ベッドの下や家具のすき間に届くかは、ヘッドの高さと柄の傾け方で変わるので、すき間の高さを測ってから商品ページの寸法と並べます。
フローリング中心の、2部屋以上の住まい
ロボットを主力にして毎日の床を任せ、隅や物の上はスティックで受け持つ組み合わせです。
ロボットが走る前に床の物を片付ける手間がかかるので、その手間を負担に感じる家は、スティックを主力にしたほうが続けられます。
平日に掃除の時間が取れない家
帰りが遅く、夜は音を出しにくい住まいでは、掃除機をかけられる時間そのものが限られます。
留守の間に床を回るロボットを主力にし、週末に、ロボットの届かない隅や家具の下をスティックで仕上げる形が合います。
ロボットが動く日の朝に、床の物を上げる習慣が続けられるかが、この組み合わせの分かれ目です。
階段のある家、カーペットの多い家
2階建ての家は、階ごとに掃除機を置くか、軽いスティックを持って上がるかで分かれます。
カーペットの部屋が多い家は、キャニスターか、カーペット向けのヘッドが付いたスティックを主力にします。
階段の段はハンディで受け持つと、重い本体を持って階段を上がらずに済みます。

ごみ捨てとフィルターの手入れで選ぶ
毎日使う掃除機ほど、ごみ捨ての手間が続けられるかが効いてきます。
ダストカップ式は紙パックを買わずに済む代わりに、カップを外して捨てるときにほこりが舞うことがあり、フィルターの手入れも要ります。
紙パック式は、パックごと捨てられる代わりに、交換用のパックを買い続けることになります。
ロボットは、本体のダストボックスのほかに、ブラシに絡んだ髪の毛や糸の除去、床を見るセンサーの拭き取りが手入れに入ります。
充電台が本体のごみを吸い上げる「自動ごみ収集」の機種は、ごみ捨ての回数が減る一方で、台そのものの大きさと交換用のパックが加わります。
フィルターを水洗いできるかは機種で違い、洗った場合は取扱説明書の目安どおりに乾かしてから戻します。
バッテリーの充電と、捨てるときの線
コードレスの掃除機やロボットは、リチウムイオン電池で動きます。
充電は、付属の充電器だけで行います。
差し込み口の形が同じでも、別の製品の充電器は電圧が合わず、電池が過充電になって、発火や破裂につながるおそれがあります。
非純正の交換用バッテリーは、安全のための保護が働かないことがあり、充電中の発火事故も起きています。
交換するときは、本体の型番に合う純正品か、取扱説明書で認められたものを選びます。
捨てるときは、電池を燃やさないごみや燃えるごみに混ぜません。
ごみ収集車や処理施設で押しつぶされると、発火することがあるためです。
電池の外し方は取扱説明書で、出し方は住んでいる市区町村の分別ルールで決まり、家電量販店などの回収ボックスで引き取っている場合もあります。
集合住宅では、音と時間帯、ほこりの行き先に気を配る
掃除機の運転音は、壁や床を伝って隣や下の階に届くことがあります。
早朝や夜遅くの掃除は避け、管理規約に時間の決まりがあれば、それに合わせます。
ロボットを留守中に予約で動かすときも、隣の人が休んでいそうな時間帯は外します。
掃除機の仕様の欄には、音の大きさをdB(デシベル)の数字で載せている機種があります。
数字が小さいほど静かな目安なので、候補を2〜3台まで絞ったところで見比べると、夜にかけたときの違いの見当がつきます。
床をたたくような回転ブラシの音や、ロボットが家具に当たる音は、運転音の数字とは別に響くので、ラグを敷く、家具の脚にクッションを付けるといった工夫も合わせます。
ダストカップのほこりは、部屋の中で捨てる
ベランダや共用の廊下でダストカップのほこりをはたくと、隣や下の階に飛んでいきます。
室内で、ごみ袋の口の中に入れてから捨てると、まわりに散りません。

音の数字を比べるより、その掃除機をかけられる時間帯が1日のうちにどれだけあるかのほうが、集合住宅の暮らしには響きます。
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