コンロとレンジまわりの掃除は、手を動かす時間より待つ時間のほうが長い作業です。
五徳や焼き網を洗剤液に沈めたら、油や焦げがゆるむまで置いておく時間が生まれます。
この待ち時間に電子レンジや冷蔵庫を拭けば、半日で台所の大半を一回りできます。
反対に、つけ置きを最後に回すと、終わりの時間が読めなくなります。
どの部品を漬けてよいか、どの洗剤を使えるかは、コンロや電子レンジの取扱説明書と、洗剤の表示が最優先です。
同じ「五徳」でも、素材によって使える洗剤が変わります。
始める前に、漬ける物と順番を決める
漬ける物と、拭くだけの物を分ける
段取りを組む前に、台所の部品を「漬けて洗う物」と「その場で拭く物」に分けます。
電気や火の部品が近い所は漬けずに拭く、というのが分け方の軸です。
| 部品 | 手入れの形 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 五徳(ほうろう) | 中性洗剤のぬるま湯につけ置きしてから洗う | 落ちない焦げは、取扱説明書に煮洗いの記載があればその方法で |
| 五徳(ステンレス) | つけ置きしてから洗う | 重曹などを使えるかは取扱説明書で見る |
| グリルの焼き網・受け皿 | 冷めてから外し、つけ置きか丸洗い | コーティングされた物は、強くこすらない |
| 電子レンジの庫内 | 拭くだけ | 電源プラグを抜き、冷めてから |
| コンロの天板 | 拭くだけ | バーナーや点火の部品に水をかけない |
| 冷蔵庫の棚・ケース | 外して水洗い、本体は拭く | 熱湯やアルコール、アルカリ性の洗剤を使わない |
アルミの部品やコーティングされた部品は、アルカリ性の洗剤や重曹で変色したり、表面がはがれたりすることがあります。
素材が分からない部品は、台所用の中性洗剤で始めると、傷める心配を小さくできます。
半日の順番の組み方
時間の長さは、汚れの程度とつけ置きの時間で変わります。
基本の形は、つけ置きを最初に仕込み、引き上げる前に別の場所を片付ける順番です。
| 順番 | 手を動かす所 | その間に置いている物 |
|---|---|---|
| はじめ | コンロと電子レンジを冷ます、五徳・焼き網・受け皿を外して漬ける | – |
| つけ置きの前半 | 電子レンジの庫内を拭く | 五徳・焼き網 |
| つけ置きの後半 | コンロの天板と、冷蔵庫の扉・取っ手を拭く | 五徳・焼き網 |
| 引き上げ | 五徳と焼き網をこすり洗いし、すすいで乾かす | 冷蔵庫の外した棚(乾燥中) |
| おわり | シンクを洗い、乾いた部品を戻す | – |
つけ置きの時間は、使う洗剤の表示に書かれた時間に合わせてください。
長く漬けるほど落ちるとは限らず、素材によっては漬けすぎが変色の原因になります。
タイマーをかけておくと、拭き掃除に夢中になって引き上げが遅れるのを防げます。
コンロを外している間は、料理ができません。
朝食の片付けが終わってから昼食の支度までの間のように、台所を使わない時間帯に段取りを置くと、途中で作業を中断せずに済みます。
家族がいる家では、その時間は台所に立ち入らないよう声をかけておくと、つけ置きの容器や外した部品に触れる場面を減らせます。
冷蔵庫まで含めると長くなる日は、冷蔵庫だけ翌日に分けるのも一つの組み方です。
最初に、五徳と焼き網を漬ける
コンロもグリルも、使った直後は熱くなっています。
火を消してから十分に冷めたのを確かめて、五徳、グリルの焼き網、受け皿を外してください。
つけ置きの容器には、シンクや大きめのバケツ、厚手のごみ袋を二重にした物が使えます。
ぬるま湯を張って洗剤を溶かし、部品が湯に浸かるように沈めます。
油が多い受け皿は、先に新聞紙やキッチンペーパーで油をぬぐってから漬けると、湯が早く汚れません。

容器は、シンクの中か、人が通らない場所に置いておくと、つまずいたり倒したりする心配が減ります。
漬けている間に、拭く所を回る
電子レンジの庫内
電子レンジの汚れは、大きく3つに分かれます。
- 温めたときの飛び散り(油や汁の点々)
- 何度も温め直して茶色く固まった焦げ
- 魚や揚げ物を温めたあとに残るにおい
飛び散りは、ついたその日なら固く絞った布でひと拭きするだけで落ちやすい汚れです。
焦げは、とがった物で削ると庫内の塗装を傷めるため、拭いて落ちる分だけ落とします。
においは、拭き掃除のあとに扉を開けて乾かすと、こもりにくくなります。
電源プラグを抜き、庫内が冷めてから始めます。
回転皿がある機種は、ゆすりながらまっすぐ上に持ち上げて外すと、庫内の部品に当てずに済みます。
庫内は、水で濡らして固く絞った布で拭き、落ちない汚れは、薄めた台所用の中性洗剤を含ませた布で拭いたあと、洗剤が残らないように水拭きします。
機種によっては、重曹やクエン酸、アルカリ性の住宅用洗剤、スプレー式の洗剤を庫内に使わないよう指定しています。
庫内の塗装が傷むと、かえって汚れが落ちにくくなるため、使ってよい物は取扱説明書の「お手入れ」の欄で確かめてください。

水を入れた容器を電子レンジで温め、蒸気で汚れをゆるめる方法があります。
水を加熱しすぎると、取り出すときに急に沸騰して飛び散る「突沸」が起き、やけどにつながることがあります。
この方法は、取扱説明書に水を加熱する手入れの記載がある機種で、書かれた容器・量・時間のとおりに行ってください。
取り出すときは、加熱が終わってすぐに容器を揺らさず、少し置いてから扱います。
市販の電子レンジ用クリーナーを温めて使う場合も、商品の指定の加熱時間を守ってください。
拭き終えたら、扉を少し開けて庫内を乾かします。
においが気になる場合は、機種によっては脱臭やお手入れのための運転が用意されているので、取扱説明書で探してみてください。
コンロの天板
天板は、薄めた中性洗剤を含ませて固く絞った布で拭きます。
バーナーの炎が出る穴、点火の部品、温度を測るセンサーには水や洗剤をかけないでください。
詰まったり濡れたりすると、火がつきにくくなる原因になります。
IHクッキングヒーターには五徳がない代わりに、天板のガラスに焦げつきが残りやすくなります。
天板の焦げに使ってよいクリーナーや道具は機種ごとに指定があるので、取扱説明書に載っている物だけを使ってください。
魚焼きグリルの庫内も同じで、奥や天井にある燃焼部や点火の部品には触れず、手の届く手前の汚れだけを拭きます。
冷蔵庫の扉と庫内
冷蔵庫は、中身が少ない日を選ぶと、食品を出し入れする手間が減ります。
出した食品は、保冷剤を入れたクーラーボックスや保冷バッグに入れ、作業は手早く済ませます。
取扱説明書で電源プラグを抜くよう書かれていれば、抜いてから作業します。
外せる棚やケースは取り外して水洗いし、油汚れは薄めた食器用の中性洗剤で洗います。

熱湯、アルコール、アルカリ性の洗剤は、プラスチックの部品のひび割れや塗装の傷みにつながるため使いません。
食器洗い乾燥機で洗うと変形するおそれがある部品もあります。
庫内は食品が触れる所なので、洗剤を使ったら水拭きで残さず拭き取ってから、乾いた棚を戻してください。
引き上げてから、洗って乾かす
タイマーが鳴ったら、手袋をつけたまま五徳と焼き網を引き上げます。
ゆるんだ油や焦げを、やわらかいスポンジや歯ブラシでこすり落とし、洗剤が残らないようにすすぎます。
焼き網の目に詰まった汚れは、ブラシを網の向きに沿って動かしてかき出します。
洗い終えた部品は、水切りかごや乾いたタオルの上に立てかけ、すき間の水まで切ります。
水気を拭いて十分に乾かしてから、元の位置に戻すと、さびや水滴のはねを防げます。
五徳の向きや、グリルの受け皿の入れ方が違うと、うまく燃えなかったり、油がこぼれたりすることがあります。
戻したあとに火をつけ、炎の色や広がり方がいつもと同じかを見ます。
つけ置きに使った湯は、そのまま排水口に流して構いませんが、その日のうちに排水口に別の系統の洗剤を使わないようにしてください。
排水口には前に使った洗剤が残っていることがあり、塩素系と酸性の洗剤が混ざると有害なガスが出ます。
シンクは中性洗剤とスポンジで洗い、最後に水気を拭き取ります。
白く固まった水垢は、酸性の洗剤を使う日を別に設けて落とします。
落ちきらない焦げは、どこでやめるか
長年の焦げは、1回のつけ置きでは落ちきらないことがあります。
そこでクレンザーや金属たわしで力を入れてこすると、ほうろうやコーティングに細かい傷がつき、次の汚れがかえって入り込みやすくなることがあります。
- ほうろうの五徳は、取扱説明書に煮洗いの記載があれば試し、それでも残る焦げは、使える状態ならそのままにする
- コーティングされた焼き網や受け皿は、表面がはがれてきたら交換部品を探す
- 五徳や部品が割れている、欠けている場合は、使い続けずに交換する
煮洗いは、五徳が入る大きな鍋に水を張って五徳を沈め、火にかけて焦げをゆるめる方法です。
鍋から出すときは五徳も湯も熱いので、トングと厚手の手袋を使い、冷めてからこすり洗いします。
鍋の大きさが足りないときは、無理に斜めに入れず、つけ置きを繰り返すほうが安全です。
焦げが少し残っていても、油がベタつかず、火の通りに影響がなければ、掃除としては十分です。
落としきることより、部品を傷めないことを優先します。
焦げを少し残しても、表面を傷つけずに油のベタつきだけ落としておけば、次の汚れも同じつけ置きで落とせる状態を保てます。


