黄ばんだ白いシャツ、においの残るタオル、浴室の椅子、水筒の茶渋。
酸素系漂白剤のつけ置き(オキシ漬け)は何にでも使えそうに見えますが、漬けると傷むものもはっきりあります。
漬ける前に、そのものの素材と表示を一度確かめるだけで、漬けたあとに困ることをかなり減らせます。
判断の基準は、酸素系漂白剤のパッケージの「使えないもの」の欄と、衣類の洗濯表示です。
商品によって書かれている内容が違うので、一般的な目安より、手元の表示を優先してください。
漬けてよいもの・漬けないものの素材別早見表
素材ごとの可否
酸素系漂白剤の商品のラベルによく並んでいる内容をもとに、家にあるものを素材で分けると、次のようになります。
| もの・素材 | 判断 | 確かめる所・ひとこと |
|---|---|---|
| 綿・ポリエステルなど、水洗いできる衣類(白・色柄) | 使える | 洗濯表示の三角の記号と、色落ちしないかの試し |
| タオル、ふきん(水洗いできるもの) | 使える | 洗濯表示の三角の記号 |
| 毛(ウール)・絹の衣類や小物 | 粉末は使わない | 粉末では「使えないもの」の代表。液体には使えると表示した商品もあるので、液体はその商品の表示で判断 |
| 革・合成皮革の衣類、靴、バッグ | 使わない | 多くの商品で「使えないもの」に入る |
| ドライクリーニング専用品、水で色落ちするもの | 使わない | 水洗いできない製品として扱う |
| 防水・撥水・形状保持などの特殊加工品 | 使わない | 水洗いできない製品として扱う商品がある |
| ファスナー・ボタン・ホックなど金属の付属品が付いた衣類 | 使わない | 付属品が外せなければ漬けない |
| 金属製品(アルミ・銅・真鍮など)、宝石類 | 使わない | 「金属全般」を使えないものに挙げる商品がある |
| チーク材などの木製品、仕上げ加工した木材、ジュート | 使わない | 水に長く浸ける手入れに向かない |
| 陶磁器・タイル・プラスチックの道具(水洗いできるもの) | 表示の範囲で使える | 商品の用途欄に書かれているか |
| 浴室の椅子・洗面器、排水口のバスケット | 表示の範囲で使える | 素材(金属が付いていないか) |
| ステンレスの水筒の内側 | 商品によって分かれる | 「金属全般に使えない」と書く商品と、用途に水筒の茶渋を挙げる商品がある |
表の最後の行のように、同じ酸素系漂白剤でも、商品によって判断が分かれるものがあります。
迷ったら、手元の商品の「使えないもの」の欄を読み直すのがいちばん確かです。
「使えないもの」に書かれた素材は、少しなら大丈夫と考えずに外します。
向く汚れと、粉末・液体の選び方
酸素系漂白剤が出番になるのは、衣類の黄ばみや黒ずみ、食べこぼし、タオルのにおい、それに浴室の小物や排水口のバスケットの汚れです。
染料を脱色しにくいので、色柄物にも使えるのが塩素系との大きな違いです。
一方、タイルの目地の奥まで黒くなったカビのように、酸素系の用途に書かれていない汚れもあります。
そうした汚れは、カビ取り剤など用途に合った洗剤に任せます。
形は粉末と液体の2つがあります。
粉末はお湯に溶かして濃さを調整しやすく、つけ置きに向く形です。
いわゆるオキシ漬けは、粉末をお湯に溶かして使います。
液体は計量して洗濯機に入れやすく、毎回の洗濯に足す使い方に向きます。
ただし、液体と粉末では使える素材が違う場合があるので、形を変えたら「使えないもの」の欄を読み直してください。
つけ置きをよくするなら、粉末と一緒に、金属を使っていないプラスチックのバケツと炊事用のゴム手袋をそろえておくと手順が止まりません。
衣類は「三角の記号」と「素材の表示」の2か所で決める
衣類のつけ置きでいちばん多い迷いは、「この服に漂白剤を使ってよいか」です。
見る所は、洗濯表示の三角の記号と、洗濯ネームの素材の欄の2か所です。
三角の記号は3種類
| 記号 | 意味 | 酸素系漂白剤 |
|---|---|---|
| 三角だけ | 塩素系も酸素系も使える | 使える |
| 三角に斜めの線が2本 | 酸素系は使えるが、塩素系は使えない | 使える |
| 三角に× | 漂白剤は使えない | 使わない |
三角に×が付いていたら、酸素系でも漂白はしません。
この三角の記号は、2016年12月から使われている新しい洗濯表示のものです。
それより前の衣類には別の形の記号が付いていることがあるので、記号の形が違うときは、素材の表示と合わせて判断します。

記号より先に、毛・絹・金属の付属品を見る
三角の記号が使える表示でも、粉末の酸素系漂白剤は毛と絹には使えません。
液体の酸素系漂白剤には毛・絹に使えると表示した商品もありますが、液体でも可否は商品ごとに違うので、手元の容器の表示で判断します。
素材の欄に「毛」「ウール」「絹」「シルク」があれば、混紡でも外しておくのが無難です。
ファスナーや金属のボタンが付いた服は、表示に「金属製の付属品がついたもの」として使えないと書かれていることがあります。
記号と素材、付属品の3つを見てから漬ける、と覚えておくと迷いません。
色柄物は、目立たない所で試す
色柄物でも使えるのが酸素系の良さですが、色落ちするかどうかは服ごとに違います。
製品の表示にある濃さで溶液を作り、縫い代やすその裏など目立たない所につけて、数分おいて色が変わらないかを見ます。
白い布を当てて、色が移らないかも見ておきます。

色が変わる、白い布に色が移る、のどちらかが起きたら、その服には使いません。
お湯の温度は、ぬるま湯のほうが効き目は早く出ますが、洗濯表示に書かれた温度を超えないようにするのが基本です。
洗濯表示の桶の記号に「40」とあれば、40℃以下のお湯を使います。
試しで問題がなくても、白い物と色柄物は別々の溶液で漬けるようにします。
漬けている間に色柄物から色が溶け出すと、同じ液に入れた白い物に移ることがあるからです。
1つのバケツに詰め込みすぎると、溶液が行き渡らずにむらになるので、数回に分けるほうが仕上がりがそろいます。
漬けている時間を忘れないよう、キッチンタイマーやスマートフォンのタイマーをかけておくと、表示の時間を超える心配がありません。
オキシ漬けの手順と、漬けるときの注意
表と洗濯表示で、漬けてよいものだけを選びます。
金属のファスナーや飾りが付いたものは外します。
ゴム手袋をはめ、プラスチックのバケツや洗面器に、製品の表示に書かれた温度のお湯と量の粉を入れて溶かします。
衣類の場合は、洗濯表示の温度も超えないようにします。
漬ける時間は製品の表示に従い、長く置けば落ちるという考え方はしません。
2時間を超えて漬けないよう書かれた商品もあります。
取り出したらよくすすぎ、衣類は洗濯機でいつもどおり洗います。
道具や小物は、水で流してから乾かします。
ふたを閉めた容器や袋で混ぜたり、漬けたまま置いたりしないでください。
容器がふくらみ、破裂することがあります。
溶かした液を、ペットボトルやガラスびんに入れて保管しないでください。
金属のバケツや桶は使わず、溶液が金属に付いたらすぐ水で流します。
塩素系の漂白剤と一緒に使ったり、混ぜたりしないでください。
浴室の椅子や洗面器を漬けるときは、金属のねじや脚が付いていないかを先に見ます。

浴槽にお湯をためて小物をまとめて漬ける方法もありますが、浴槽や風呂釜の取扱説明書で使える洗剤を確かめてからにします。
水筒は、パッキンやふたを外し、商品の用途欄に水筒が書かれている場合に限って使います。
お湯の温度・粉の量・漬ける時間の3つは、どれも製品の表示どおりにそろえるのが基本です。
溶かした液は、その日のうちに使い切って流すのが原則です。
酸素系の粉が溶けると酸素が出るので、ふたをしない、作り置きしないの2つは、手順の中でもとくに大事です。
塩素系と酸素系は、製品の表示で併用・混合しないよう書かれています。
白いシャツに塩素系、色柄物に酸素系と分けて使う場合も、同じバケツで続けて使うときは、よくすすいでから次に進みます。
家で漬けずに任せたほうがよいもの
酸素系漂白剤で落としきれないもの、漬けると傷むものは、家でがんばり続けるより頼み先を変えるほうが、服や道具を長く使えます。
- 毛や絹のニット、スーツ、ドライクリーニング専用の服はクリーニング店に任せる
- 時間がたったシミ、何度漬けても残る黄ばみは、繰り返し漬けずにクリーニング店で相談する
- 革の靴やバッグは、革の手入れ用品か、革製品を扱う店に任せる
- 金属や木の製品は、酸素系ではなく、その素材の取扱説明書にある手入れ方法に戻る
表示の温度・量・時間を守って1回漬け、落ちなければ頼み先を変えるのが、素材を傷めにくい使い方です。
高価な服や思い入れのある服は、表示で使えると分かっていても、最初からクリーニング店に相談する選択もあります。
クリーニング店に出すときは、何のシミか、いつ付いたか、家で何を試したかを伝えると、落とし方を選んでもらいやすくなります。
とくに漂白剤を使った場合は、塩素系か酸素系かも伝えておきます。



